認定こども園の類型
認定こども園については、地域の実情に応じた選択が可能となるように、以下のような類型を設けています。
なお、認定こども園の認定を受けても、幼稚園や保育園等はその位置づけを失うことはありません。
幼保連携型認定こども園
幼保連携型認定こども園とは、認可幼稚園と認可保育園とが連携して、一体的な運営を行うことにより、認定こども園としての機能を果たすタイプの認定こども園のことをいいます。
具体的には、幼稚園及び保育園のそれぞれの用に供される建物及びその付属施設が一体的に設置されている施設であって、下記のいずれかに該当するものを指します。
当該施設を構成する保育園において、満3歳以上の子どもに対し学校教育法第78条各号(現23条各号※)に掲げる目標が達成されるよう保育を行い、かつ、当該保育を実施するにあたり当該施設を構成する幼稚園との緊密な連携協力体制が確保されていること
当該施設を構成する保育園に入所していた子どもを引き続き当該施設を構成する幼稚園に入園させて一貫した教育及び保育を行うこと
※学校教育法第二十三条
幼稚園における教育は、前条に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
- 一 健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体諸機能の調和的発達を図ること。
- 二 集団生活を通じて、喜んでこれに参加する態度を養うとともに家族や身近な人への信頼感を深め、自主、自律及び協同の精神並びに規範意識の芽生えを養うこと。
- 三 身近な社会生活、生命及び自然に対する興味を養い、それらに対する正しい理解と態度及び思考力の芽生えを養うこと。
- 四 日常の会話や、絵本、童話等に親しむことを通じて、言葉の使い方を正しく導くとともに、相手の話を理解しようとする態度を養うこと。
- 五 音楽、身体による表現、造形等に親しむことを通じて、豊かな感性と表現力の芽生えを養うこと。
幼稚園型認定こども園
幼稚園型認定こども園とは、認可幼稚園が、保育に欠ける子どものための保育時間を確保するなど、保育園的な機能を備えて認定こども園としての機能を果たすタイプの認定こども園をいいます。
具体的には、下記のいずれかに該当する施設のことを指します。
幼稚園教育要領に従って編成された教育課程に基づく教育を行うほか、当該教育のための時間の終了後、在籍している子どものうち児童福祉法第39条第1項(※)に規定する幼児に該当する者に対する保育を行う幼稚園
幼稚園及び認可外保育施設のそれぞれの用に供される建物及びその付属設備が一体的に設置されている施設であって、次のいずれかに該当するもの
- ①当該施設を構成する認可外保育施設において、満3歳以上の子どもに対し学校教育法第78条各号(現23条各号)に掲げる目標が達成されるよう保育を行い、かつ、当該保育を実施するにあたり当該施設を構成する幼稚園との緊密な連携協力体制が確保されていること
- ②当該施設を構成する認可外保育施設に入所していた子どもを引き続き当該施設を構成する幼稚園に入園させて一貫した教育及び保育を行うこと
※児童福祉法第39条第1項
保育園は、日日保護者の委託を受けて、保育に欠ける(注1)その乳児又は幼児を保育することを目的とする施設とする。
注1:「保育に欠ける」とは
- 1. 昼間労働することを常態としていること。
- 2. 妊娠中であるか又は出産後間がないこと。
- 3. 疾病にかかり、もしくは負傷し、又は精神もしくは身体に障害を有していること。
- 4. 同居の親族を常時介護していること。
- 5. 震災、風水害、火災その他の災害の復旧に当たっていること。
- 6. 全各号に類する状態にあること。
保育園型認定こども園
保育園型認定こども園とは、児童福祉法39条第1項に規定する幼児に対する保育を行うほか、当該幼児以外の満3歳以上の子供を保育し、かつ、満3歳以上の子どもに対し学校教育法第23条各号に掲げる目標が達成されるよう保育を行う保育園のことをいいます。
別の言い方をすれば、認可保育園が、保育に欠ける子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たす保育園とも言えます。
地方裁量型認定こども園
地方裁量型認定こども園とは、児童福祉法第39条第1項に規定する幼児に対する保育を行うほか、当該幼児以外の満3歳以上の子どもを保育し、かつ、満3歳以上の子どもに対し学校教育法第23条各号に掲げる目標が達成されるよう保育を行う認可外保育施設のことを言います。
要するに、幼稚園・保育園いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たすタイプのこども園のことです。
以上見てきたように、認定こども園には、地域の実情に応じて多様なタイプが認められることになります。なお、認定こども園の認定を受けても、幼稚園や保育園等はその位置づけを失うことはありません。