企業主導型保育事業の助成金
企業主導型保育事業を運営する場合、一定の要件をクリアすると助成金を受けることができます。
※利用定員は最低6名以上である必要がありますので、ご注意下さい。
助成金の交付対象となるのは主に整備費と運営費です。
それでは、整備費と運営費の助成金額などの気になる内容をご説明します。
施設整備費の助成
施設整備費が発生する年度に、整備費の助成申請の申し込みを行います。
整備費の助成対象となるのは、保育施設本体の工事費、本体工事に付随する工事事務費(上限は2.6%)、建物と一体化している設備費(埋込式エアコンなど)です。
外構工事や備品類などは助成対象となりませんので、着工前に確認が必要です。
助成金額は、
①地域・区分(地域・定員・年齢・保育士比率・開所時間および日数)における基準額を基礎として基本単価を算出した金額
②実際に助成対象工事と認められた工事費用の3/4
①と②を比較して、安い方の金額が助成されます。
計算方法は複雑ですので、ご参考として助成金額の一例を記載します。
地域=東京都
定員=30名
以上の場合は約8,000万円となります。
※計算方法の改訂もありますので、目安としてご理解ください。
その他、既存建物を児童の安全性に考慮した整備を行う場合、ソーラー設備の設置や水循環設備の設置、新たに土地を賃借して建物を整備する場合、一時預かりや病児保育用に施設を整備して実施する場合には、加算制度があります。
助成申請の申込後、助成決定がなされると、以下の通知書が発行されます。
助成金の交付は、工事完了後、工事完了報告をもって交付となります(工事前払い金等がある場合は、概算交付申請により、助成決定額最大50%まで事前に交付申請も可能です)。
※工事完了報告に必要な提出書類は、実施した工事規模や内容によって異なります。
運営費の助成
都道府県に事業開始届を提出した後に、運営費の助成申請の申し込みを行います。
助成申請は毎年度行う必要がありますので、申請スケジュールの確認が必要です。
助成金額は、地域・定員・年齢・開所時間・保育士比率の5つの区分における基準額を基礎として定員数等により算出します。
計算方法は複雑ですので、ご参考として助成金額の一例を記載します。
定員・年齢=40名(乳児10名、1歳児10名、2歳児10名、3歳児10名)
開所時間=11時間、週7日未満
保育士比率=50%
以上の場合は月額約450万円となります。
※計算方法の改訂もありますので、目安としてご理解ください。
その他、延長保育や夜間保育、病児保育などを行った場合には、加算制度があります。
助成申請の申込後、助成決定がなされると、以下の通知書が発行されます。
運営費の助成決定で受けた金額は、計画通りの実施をした場合に受けることができる助成金の1年間の目安金額です。
助成金の交付は、毎月の預かり状況を報告する「月次報告」に基づいて、毎月実際にお預かりした内容に基づいた金額が交付されます。
月次報告は、毎月1日~10日の10日間のみ申請が可能で、実施月の翌月に報告申請を行い、決定を受けた月の末に交付されます。
週開所日数の考え方
企業主導型保育の運営費は、対象の施設の1週間の開所日数に応じて、補助金の単価ベースが変わります。
開所日数が多いほど、補助金の単価ベースは上がり、たくさん補助金が受け取れます。
企業主導型保育の開所日数は、以下の3種類に分かれます。
・週7日開所
・週7日未満開所
・週6日未満開所
それぞれ以下のような施設が該当します。
週7日開所の保育施設は、「年間を通じて休日保育を実施する保育施設」という位置づけです。
そのため、年間を通じて年末年始や国民の休日なども関係なく施設を開所する必要があります。年末年始を休みたい場合は、次の【週7日未満開所】として申請しなければいけません。
利用者全員の利用ニーズがないことが確認できれば閉所しても差支えありませんが、1人でも利用ニーズがあるなら開所しなければいけません。また、予め施設の側から閉所日を事前通達することもできなくなります。
また、運営の実態に合わない場合は児童育成協会から実態に合わせるように指導される場合もあります。
【週7日未満開所】
週7日未満開所の保育施設は「完全週6日以上開所する保育施設」という位置づけとなります。契約時や入園のしおり等で事前に周知して保護者の同意をとっていれば、国民の休日や年末年始の閉所が可能です。
【週6日未満開所】
週6日未満開所の保育施設は、「完全週5日以上開所する保育施設」という位置づけとなります。「週6日未満開所」の保育施設も「週7日未満開所」同様、契約時や入園のしおり等で事前に周知して保護者の同意をとっていれば、国民の休日や年末年始の閉所が可能です。